Gjogur,Iceland 2005
旅先の観光案内所で何冊かのパンフレットをあさり、その中の一枚の写真に見入る。ああ、ここに行ってみたい…。そう思わせる風景に出会うことがある。
アイスランドを一人で回っている時、そんな一枚に遭遇した。おそらく普通の観光旅行では誰も行くとは思えない場所ではあるが、とにかく行ってみたいのだ。
北西部にある、イーサフィヨルズルという町に居た。Gamla Gistihusid(Old Guesthouse)という宿で朝食をとっていると、見たことのないアウトドア・ブランドで固めた旅行者が、2階の部屋から降りてきた。旅人の少ない田舎町なのもあったからか、暫く旅行者に会ってなかったからか、宿の人にバスの時間を確かめて旅立つ彼を、玄関先まで見送った。
その日はフィヨルドの風景を撮影するつもりだった。朝食を済ませてから、東のレイキャルフィヨルドを目指した。ホルマヴィークという町の手前で未舗装路に入る時、見覚えのある旅人が歩いていた。スピードを落として近づくと、今朝宿を先に出た彼だった。そのイタリア人青年を拾い、普通車向けではない悪路を一時間あまり走り、デュパヴィークという小さな漁村で彼を降ろした。彼はここからホルンストランディールの、半島の先まで歩いて行くらしい。アイスランドの中でも一番人里離れた所だから、と言って笑った。
Djupavik,Iceland 2005
撮影しながらイーサフィヨルズルの宿に戻った。レイキャビクから持ってきたパンフレットを見返すと、気になっていた写真は、デュパヴィークからほんの数キロ先の、ギョグールという場所だった。またあのダートを走ることを考えると少しためらいもあり、どうするか二晩考えた。
スティキスホウルムルへ移動する日、やはりその場所へ行く事に決めた。途中、砂利道にタイヤをとられコースアウト。パンクした。初めて自分でタイヤ交換をした。デュパヴィークを過ぎて、あのイタリア人が歩いているかと思ったが、もう出会うこともなくギョグールの空港に着いた。原っぱに滑走路が一本あるだけの、無人の空港だった。
アイスランドを3週間、一周した三菱ランサー
空港から海側へ少し下った所で、直ぐにその風景は見つけられた。
この写真はここから撮ったものだっ!と興奮することはあっても、
それ以上の写真はなかなか撮れないものだ。
上の、一枚目がその時の写真。
同じ写真は、二度と撮れない。
その瞬間には、二度と巡り会えない。
昨日は横須賀の田浦という所へ日帰り撮影。駅を出るとそこは。
三陸の港町に似た雰囲気がありました。